She(Reissue)について1


2003年に自主制作した1st EP – Sheの再発。

未発表だったSpeedとGhost Ghostsの別バージョン、計ふたつのボーカルトラックを追加。

ジャケットは、同じ日に撮影していたけど、当時使わなかったフィルムのものが表、裏にオリジナルのデジカメ版。

マスタリングはTaylor Deupree氏。

She (Reissue)
Vinyl(Includes download code), CD, Digital from Family Vineyard
September 22, 2017

Family Vineyard
http://family-vineyard.com/products/hisato-higuchi-she-reissue

ミヒャエル・ハネケの映画術


– 脚本を書くとき、いろいろな解釈を可能にしてくれる余白について考えていらっしゃいますか?

ハネケ いつもですよ!それが私の求めているゴールです。観客に余地を残して、観客一人ひとりのやり方、教養、考え方で、作品を自らのものにしてもらえればと考えています。

ミヒャエル・ハネケの映画術(水声社)より
http://www.suiseisha.net/blog/?p=4988

ギターノイズ(制作ノート 消えコー 3)


エレキギターをミキサーに直で繋いで柔らかく爪弾くと、音は小さく、録音された音も小さく、ボリューム上げていくとサーというノイズが聴こえ始める。

そもそも存在していたものだが、顕微鏡で拡大するように知覚して、旋律と共にあることによって音楽の一部になる。

ミクロ的なものにコスモを感じるように、広がりや繋がりを感じる人もいるだろう。

大きなアンプで、大きなボリュームで掻き鳴らすギターノイズを密室で聴き続けるうちに静寂を感じるように。

アルバム:消え続けるエコー

練習


近所のスタジオで練習。

風邪薬という名の安物のただ眠くなる薬を飲んだせいで気を失いそうになった。

制作ノート きえレス 14


ミックスほぼ終了。

右チャンネルにコード、左にソロ、センターにボーカルとベース。

音はまあまあクリア。

しかも24ビット96kHzで録った。

といってもまったくハイファイではないが。

歌詞ありで8曲。

レーベル、発売日は未定。

以下曲のタイトル、

きえものエンドレス
幸福の電波
キラキラ
まぼろし vs ゴースト
雀を放ち、船を流す
発熱のバトン(魔法改め)
橋と門(陽射しを探せ改め)
声もギターも(鳴り止む時間改め)

アルバム:きえものエンドレス

んんンMusic


悪戯、落書
敬虔さはなぜ

永遠はエコー
ずっとずっと遠く

見知らぬ場所の涙
広がる河口

電波を飛ばして
音叉を重ねて

もし世界がふたつなら
誰も知らない
んんン
ミュージック

 

アルバム:未定

制作ノート きえレス 13


ベースの録音。

8曲終わった。

でもいくつかやり直すかもしれない。

クリーントーンのギターに、歪んだベースが馴染んでいないようなそうでもないような。

ベース録音を始めてみると、自然と一定のテンポで弾いてしまってタイミングが合わなかった。

何度か合わせるうちにギターを弾くテンポ感に近づいてきた。

楽器に紐付いた身体の記憶に驚き。

アルバム:きえものエンドレス(仮)

制作ノート きえレス 12


もろもろ調整していたら一ヶ月経ってしまった。

嫌いな作業でサボり気味だったが、何とか終わった。

で、ミックスを始める前に一通り聴いてみると・・

ギターアルペジオの音量を大きくしたくないけれど、小さすぎるとバランスが取れない。

今回のアルバムの曲は和声感がちゃんとないと駄目だ。

で、ベースを弾くのはどうだろう・・と思い、物置から引っ張り出して、少し分解して調整して、弾いてみると案外良いアイデアな気がする。

録音で使うのは多分14年振りだ。

何度か練習した。
テンポはゆっくりだし、指も動くし、何となりそう。

アルバム:きえものエンドレス(仮)

生悦住さん


音楽レーベル「P.S.F Records」、レコードショップ「モダ〜ンミュージック」の生悦住英夫氏が死去した、と人に聞いたり、ネットで見た。

直接本人に聞くわけにもいかず、困ったもんだ。

いつも通り食事をして、いつも通り・・と思うが、何だか手につかず日記を書くことにした。

試しに、チェット・ベイカーを聴いている。

Let’s get lost

生悦住さんも好きで、良く話題にしていた。

生悦住さんなりに話題を合わせてくれていたのかもしれない、と今初めて思った。どうだろう?

「ひぐちくんの歌はチェット・ベイカーっぽいとこがある」と言われ首をひねっていたが、嬉しかった。

生悦住さんは同じ話を何度もする。こっちが疲れてしまうくらい。呆れてしまうくらい。

今まで出会った人の中で、一番。

 

1996年にカセットテープをモダ〜ンミュージックに郵送した。

お店には行ったことがなかったし面識もなかったけど、当時ライブをしていたお店のマスターとママから生悦住さんの話を聞いていて「もしかしたら」と思ったんだと思う。PSFのアルバムは少し聴いていた。

知り合いも少なかったし、一人でやっていたのでアテもツテもなく、まだインターネットはなかったし。

ライブを録ったカセットをダビングして、住所と電話番号を書いて送った。

生悦住さんに会ったのはそれから7年〜8年後。

 

2003年にGhost Discという自主レーベルを作って、初めてCDをプレスして、モダ〜ンミュージックに持って行った。

大きなリュックを背負って、冷や汗をかいて。

CDを渡すなりお店のプレイヤーで再生するので、いたたまれない気持ちになった。

生悦住さんは音を聞きながら、ジャケットを見ながら、自分と言葉を交わすうちに「もしかして君は***(カセットを送った時に使っていた別名義)?」と言い、「カセットを聴いて電話したが通じなかった」こと、「勝手にダビングしてお店の常連さんに配っていた」ことなどを話し始めた。

96年頃は色々あって、モダンにカセットを送った直後に東京を離れてしまったのだ。

1年後に戻ってきても部屋がなかったりって状態だったので、カセットを送ったことを忘れていたわけではないと思うのだけど、モダンに連絡するということは思いつかなかったのかもしれない。

その後、もろもろの記憶が曖昧なまま数年が過ぎた。

で、2003年にCDを作って、どうやって売れば良いかも分かない時に「あの時連絡はもらえなかったけど、あの店なら置いてもらえるかもしれない」と思い、訪ねてみたら、むかし送ったカセットのことを覚えていてくれたのだった。

その後、スピーカーからCDは流れたまま、終わってもう一度再生しても、カセットの話ばかりしていたと思う。

結局気に入ってくれて、買取はしてくれたのだが、「これも良いけど、カセットの方が良いね」と言われた。

以降、その言葉は会うたびに、新しいアルバムを渡すたびに繰り返された。

自分としては当然新作の方が良いわけで、返す言葉に困るのだが、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。むしろ毎度毎度同じことを言われるので面白かった。

ミュージシャンは多かれ少なかれ変わる。 

でも生悦住さんが大好きなものは変わらない。しかも本人にそのまま言う。タイミングとかもない。

だから笑っちゃうのだ。あまりにストレート。そしてしつこい。

自分としては「恥ずかしいし、出したくない」ってずっと思ってたし、いつか「こっちの方が良いね」と生悦住さんが言うものをPSFからリリースしたかった。だから初期作品集のリリースは2012年まで拒んでいた。

それでも10年近くしつこく言われ続けて、「あの人が良いというなら良いのかもしれない」と思ったり、生悦住さんが「こっちの方が良いね」と言う日が来る前に・・来ないかもしれない、と思ったり、とにかくずっと言ってくれて、売れもしないのにリリースしてくれて・・というか、感謝しかない。それと出会えて本当に良かった。