痛み運ぶ器/Itami Hakobu Utsuwa
『痛み運ぶ器』 /”Itami Hakobu Utsuwa” from Vincent GUILBERT on Vimeo.
来年リリース予定のアルバム「消え続けるエコー(タイトル仮・レーベル未定)」に入ってる曲「痛み運ぶ器」の映像です。
東京在住のフランス人映像作家ヴァンサン・ギルベール(Vincent Guilbert)氏が作ってくれました。ヴァンサン氏は長編も撮っており、新作が来年日本でも公開予定です。
「消え続けるエコー(仮)」は自分にしては珍しく全9曲歌詞を伴う歌とギターのアルバム。昨年から作り始め今年の春に一度マスタリングまで終えた後、つい先日ミックスをやり直しました。といっても今回はエレキギターと歌の一発録りなので、ミックスというよりは調整(イコライザー、コンプ、ディレイの調整)ですが、春のものと比べると結構変わりました。
アルバムのことはリリースできるようになったらまた書くとしよう。
↓歌詞
痛み運ぶ器
キラキラと光る、痛み運ぶ器
街明かり滲む
瞳研ぎ澄ませ
赤、白、黄、線を引く
全ての窓に、
夜から夜に、角をぶつけ
ビル風に吹かれ、吹き溜まり巡る
野良猫達の集会も終わり
後追う尾はテールライト
器が運ぶ
端から端へ、角をぶつけ
マイ・ファニー・ヴァレンタイン (2013)/My Funny Valentine (2013)
My Funny Valentine (2013) – Hisato Higuchi
Recorded, 2013
Electric Guitar, Vocals and Recorded By Hisato Higuchi
マイ・ファニー・ヴァレンタインのカバー。
この曲には色々な人のバージョンがあるわけですが、自分の場合、20年と少し前にチェット・ベイカーとニコの演奏を聴いて、いつか自分も演奏してみようと思いました。数年前からライブで演奏したり、録音してみたりして、今のところの最新バージョンです。写真はライブのやつですが、演奏は自宅で録音したものです。
以下のは2012年に録音したやつで、後半のソロがディストーションギター。
My Funny Valentine (2012) – Hisato Higuchi
木、花
宝篋山
オルフェオ/Orfeo
オルフェオ/リチャード・パワーズ著
アメリカの作家リチャード・パワーズが2014年(翻訳は2015年)に発表した小説。
ある作曲家の一生と音楽(主に現代音楽)の話。長年世間に認められないものの、純粋に己の音楽を記し、後に絶望、もろもろの後悔などもありつつ、晩年、遺伝子に音楽を組み込むコンセプチャルな作品…曲をデジタル化して四つの塩基から成る連鎖に変換し…を制作中、バイオテロリストとして指名手配され逃避行する。アメリカの地を車で横断するうちに、ハーリー・パーチ、ホーボーに身を重ねていく。
過去の作曲作品に関する記述も多く、ストーリー、主人公の作品とリンクしているものもある。オリヴィエ・メシアン『時の終わりのための四重奏曲』、ジョン・ケージ『ミュージサーカス』、スティーヴ・ライヒ『プロヴァーブ』、ドミトリイ・ショスタコーヴィチ『交響曲五番ニ短調』、そしてハーリー・パーチ『バーストー』。
ちなみに、過去作『われらが歌う時』は演奏家の話で、古楽とソウルミュージックが重要な位置を占めていた…ような気がする…アルヴォ・ペルトもでてきたかも…。
オルフェオ
リチャード・パワーズ 著
判型:四六判変型
頁数:428ページ
ISBN:978-4-10-505875-3
発売日:2013/07/31
http://www.shinchosha.co.jp/book/505875/
耳に聞こえないメロディーは、聞こえるメロディーよりさらに甘美だ。
微生物の遺伝子に音楽を組み込もうと試みる現代芸術家のもとに、捜査官がやってくる。容疑はバイオテロ? 逃避行の途上、かつての家族や盟友と再会した彼の中に、今こそ発表すべき新しい作品の形が姿を現す――。マーラーからメシアンを経てライヒに至る音楽の歩みと、一人の芸術家の半生の物語が響き合う、危険で美しい音楽小説。
夜、木、花、羽
エノコログサ/Setaria viridis
いま反戦文弥作品を語る
この日記(https://ghost.readymade.jp/?p=566)を書いてから、岡本文弥 新内珠玉集(http://www.teichiku.co.jp/catalog/okamoto-bunya/)や、知人からダビングしてもらい、古典もいくつか聴くことができた。
オリジナルでは「富本豊志賀」「たぬき」「月夜の題目舟」、古典では「弥次喜多」なんかがいまのところ好きだ。
やはり生演奏も聴いてみたいと思い、文弥の新内を継承する岡本派(http://www.okamotomiyanosuke.com/)の公演に行った。
カッパの道行
ぶんやありらん
西部戦線異状なし
出演:
浄瑠璃 岡本宮之助
三味線 鶴賀喜代寿郎
上調子 岡本文之助
岡本文弥最晩年の作品「ぶんやありらん」が良かった。語りの内容は重いのだが、瑞々しくてすっと入ってきた。
戦後70年、また近頃の政治の動きもあって、この演目での会を開いたとのことだった。
弦楽器ということで、やはり三味線も気になった。大きな撥(ギターのピックに比べれると)だが、鶴賀喜代寿郎氏はじつに柔らかいタッチで、強弱弾きわけていた。アンプやPAを使えば、ああいったニュアンスは相当失われる。
来週は同じ場所(お江戸日本橋亭)で、怪談をテーマにした演奏会がある。
虐殺器官、ハーモニー
最近読んだ中で面白かった小説。ハーモニーが特に良かった。
虐殺器官
伊藤計劃 著
ISBN : 9784150311650
刊行日 : 2014/08/08
http://www.hayakawa-online.co.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=000000003096&search=%B5%D4%BB%A6%B4%EF%B4%B1&sort=
9・11以降の”テロとの戦い”は転機を迎えていた。
先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。
米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……
彼の目的とはいったいなにか?
大量殺戮を引き起こす”虐殺の器官”とは?
現代の罪と罰を描破する、ゼロ年代最高のフィクション。
ハーモニー
伊藤計劃 著
ISBN : 9784150311667
刊行日 : 2014/08/08
http://www.hayakawa-online.co.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=000000003097&search=%A5%CF%A1%BC%A5%E2%A5%CB%A1%BC&sort=
21世紀後半、〈大災禍(ザ・メイルストロム)〉と呼ばれる世界的な混乱を経て、人類は大規模な福祉厚生社会を築きあげていた。
医療分子の発達で病気がほぼ放逐され、見せかけの優しさや倫理が横溢する”ユートピア”。
そんな社会に倦んだ3人の少女は餓死することを選択した――
それから13年。死ねなかった少女・霧慧トァンは、世界を襲う大混乱の陰に、ただひとり死んだはすの少女の影を見る――
『虐殺器官』の著者が描く、ユートピアの臨界点。