異界ドキュメント 白昼の魔/document of spirit world

暗い夜道で思い出したくない、ぞっとするようなイメージが…

異界ドキュメント 白昼の魔
著者名:高橋ヨシキ
発売日:2013年01月29日
ISBNコード:9784812492857
http://kyofu.takeshobo.co.jp/detail/shohin/6220101

幽霊は存在しない。狂人と遭遇するのは確率の問題。ネットやテレビで垂れ流される都市伝説を喜ぶのは中学校で卒業だ。いまや多くの怪談・奇談は恐怖の本質から目をそらしている。真の禍々しき怪異は我々の想像を絶する形で進行している!
交通事故から生還した男を襲う理不尽な出来事「顔が違う」、地方のファストフード店に現れた異形の少年「叫び」、突然訪ねてきた自分と瓜二つの顔を持つ女「馬鹿」、山奥の巨大工場で稼動する謎の機械「ピストン」、高度経済成長の時代に起こった異様な宗教儀式を追った「イシガミ」……衝撃の犯罪映画『冷たい熱帯魚』で国際的な評価を獲った気鋭のシナリオ・ライターが夜の繁華街から地方の病院までを訪ね歩いて蒐集したショック実話集!

グラース・サーガ/Glass family

 サリンジャーは1965年に出版した『ハプワース16、1924』を最後に、2010年に亡くなるまでの45年間、作品を発表していない。しかし、執筆は続けていて自宅の金庫には相当数の原稿が保管してあり、死後発表されるという噂はちらほらあった。そして以下の記事によると、2015年〜2020年の間に5つの作品が出版されるとのこと。

サリンジャー新作5作品が “遺言により” 出版へ

 『The Complete Chronicle of the Glass Family (グラース家の全歴史)』
 彼の作品ではお馴染み、グラース家のシーモアに関する5つの短編集

 『ハプワース16、1924』は、グラース家の長兄シーモア・グラスが7歳の時に書いたという設定の日記体小説。
 シーモア・グラスは『ナイン・ストーリーズ』に収められた短編、『バナナフィッシュにうってつけの日』の主人公でもある。この話がグラース・サーガーの始まりで、以降7人の兄弟姉妹を主人公に幾つかの作品が書かれた。
 彼等は所謂天才少年・少女で、ラジオ番組「これは神童」に代わる代わる出演するほどでもある。ゆえに少年シーモアの日記も子供のものとは思えない、大人びた内容になっている。また輪廻転生を語り、前世の記憶さえ匂わせている。

 グラース・サーガは始めから構想されていたものではなく、その都度書き連ねたものであるがゆえに、はじまりの話『バナナフィッシュにうってつけの日』でのシーモアの死を納得のいく形で回収すること無く途切れた。
 失敗とも言える中断のまま作家は隠居し、50年近くが過ぎた後に新たな物語が発表されるなど、話が出来すぎていて、その自意識に呆れつつも(ゆえに)、読める日が待ち遠しい。